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労働基準法改正の見送りと聞くと、いつ決まったのか、なぜ見送られたのか、施行日はどうなるのか、通常国会への提出は今後どうなるのか……いろいろ気になりますよね。
この記事では、2026年の改正案が見送られた背景を押さえつつ、連続勤務14日、勤務間インターバル、副業兼業、36協定、割増賃金、法定休日といった企業実務で影響が出やすい論点を、あなたの会社が今日からできる対策に落とし込んで整理します。

社会保険労務士 志賀佑一
社会保険労務士志賀佑一事務所代表。
経営者、従業員、会社がともに3WINの組織づくりをモットーに、人材が定着する会社づくりのサポートに尽力。
社会保険労務士として独立後は人事労務支援に加え、各種研修や制度導入などを通じてリテンション(人材流出防止)マネジメント支援にも注力している。

まずは「何が起きて、議論はどこまで進んでいたのか」を整理します。ここを押さえると、見送り後の実務で何に備えるべきかが見えてきます。
今回のポイントは、改正の検討がゼロになったわけではなく、国会への法案提出がいったん見送られたことです。実務的には「当面は現行法で運用しながら、次の動きに備える期間が伸びた」と捉えるのが自然かなと思います。
企業側は、見送りを聞いてホッとしがちですが、監督署対応や裁判で問われるのは結局、日々の運用です。特に労働時間、休日、割増賃金、健康配慮は、改正の有無にかかわらずチェックされやすい領域です。
まず、言葉の整理をしておきます。「法案提出見送り」は、一般のニュースの受け止め方だと「改正はなくなった」と感じやすいんですが、企業実務の目線ではそう単純ではありません。なぜかというと、改正案の検討に至るまでに、研究会で論点整理が進み、関係者の間で「課題の所在」が共有されてしまっているからです。
いったん共有された課題は、政治状況や景気、世論の動きで再浮上しやすい。つまり、提出が遅れるほど“準備の猶予”は増えますが、“論点が消える”わけではないということですね。
「じゃあ企業はいつまで待てばいいの?」という話になりがちですが、私の答えはシンプルです。
待たなくていいです。というより、待つほど不利になることがあります。
理由は、監督署の調査や是正勧告は“今の法律”で行われる一方で、調査官や裁判所が重視するのは「安全配慮が尽くされていたか」「健康配慮の仕組みがあったか」だからです。改正案で議論された内容(連続勤務、インターバル、勤務時間外の連絡など)は、現行法でも安全配慮義務の評価材料になりえます。
提出見送りのニュースは、情報が断片になりやすいです。経営者や人事担当のあなたが社内説明をする場面では、「何が見送られたのか」「何は今でも義務なのか」を短く言えるようにしておくと強いです。
たとえば、次のような説明が現場では役に立ちます。
社内説明で使える言い方(例)
最後に大事な注意点です。今後の動きは政治や政策判断で変わり得ます。ですので、最新の公表情報は公的機関の資料も確認しつつ、社内方針は「現行法で説明できる運用」を軸に組み立てるのが安全かなと思います。
見送りの背景は一つではありません。労働者の健康確保を厚くする方向(連続勤務の抑制や勤務間インターバルなど)と、企業の競争力や人手不足対応の観点から柔軟化を求める方向(働き方の多様化や裁量の拡大など)が、同時に強く出てきたため、一本の法案としてまとめるのが難しくなった、という構図が見えます。
志賀佑一制度設計が難航するテーマほど、法律より先に行政通達やガイドライン、監督署の運用で「実質的な基準」が先に走りやすいです。だからこそ、見送り=何もしなくてよい、にはなりません。
今回の見送りを企業目線で理解するなら、「規制を強めたい論点」と「柔軟化したい論点」が同じパッケージに入ろうとして、バランス調整が崩れた、と捉えるとスッと入ります。
たとえば、健康確保のために連続勤務やインターバルを厳格にしようとすると、シフト制・交代制・繁忙期対応の現場では組み直しが必要になります。一方、柔軟な働き方(裁量や成果型)を広げたい流れもあり、ここを同時に進めるには、健康管理の客観的な仕組み(ログ・面談・アラート)をセットにしないと成立しにくいです。
つまり、単に「時間を短くしましょう」ではなく、「働き方を多様にするなら、健康確保の見える仕組みをどう作る?」という設計が必要で、その合意形成が難しかった、ということです。
企業としては、噂レベルの「○○が義務化されるらしい」だけで動くと、社内の混乱が起きやすいです。ここは一次情報で骨格だけ押さえるのが安全です。労働基準関係法制研究会の報告書の公表ページは、議論の論点を俯瞰するのに使いやすいので、必要に応じて確認しておくとよいかなと思います。
(出典:厚生労働省「労働基準関係法制研究会」の報告書を公表します)
もう少し実務に寄せると、見送りにつながりやすい論点は、次のような「企業の負担感」と直結しやすいものが多いです。
ここで誤解してほしくないのは、「負担が大きい=やらなくていい」ではない点です。負担が大きいからこそ、将来どこかのタイミングで“段階的に”求められる可能性があります。
企業としては、いまのうちに現行運用の弱点を見つけて、段階的に改善するほうが、結果としてコストが安く済むことが多いです。


結論から言うと、日々の運用の重要性はむしろ上がります。理由はシンプルで、議論の中で注目された論点(連続勤務の長期化、インターバル不足、名ばかり管理職、勤務時間外の連絡など)が、健康配慮や安全配慮の観点から、現行法の枠内でも問題視されやすいからです。
いま企業がやるべきことは、法改正を待つのではなく、現行ルールで「説明できる管理」を作ることです。
たとえば、勤怠打刻とPCログの乖離、休日の取り扱い、36協定の運用、割増賃金の計算根拠など、根拠が曖昧なところから崩れます。
実務の着眼点
会社の運用って、現場ではどうしても“慣習”で回ってしまうんですよね。ところが、監督署の調査や、従業員からの申し出、労災・メンタル不調が絡むと、一気に「根拠は?」「ルールは?」「誰が承認した?」と問われます。
このとき、制度改正が見送られていようが関係ありません。問われるのは、あなたの会社が今どう管理しているか、です。
とくに危ないのが、勤怠システム上は定時退勤なのに、実際はメール・チャット・PCログが動いているケースです。これは未払い残業の疑いだけでなく、健康配慮の面でも「会社が把握できていたのでは?」と突っ込まれやすいです。



勤怠の“事実”と“承認プロセス”を一致させることを最優先に考えましょう。
「ルールを厳格にしすぎると現場が回らない」これも、めちゃくちゃ分かります。なので、現実的には“例外”を前提にした設計が必要です。たとえば、繁忙期の残業や休日出勤はゼロにできない会社もあります。その場合は、例外を放置するのではなく、例外を“見える化”して、発生条件と手続きを決める。具体的には、次のような整理が効きます。
例外を前提にした運用設計(例)
こうしておくと、改正が再浮上したときにも慌てません。むしろ、制度がどう変わっても“運用の土台”はそのまま使えます。見送り期間は、こういう土台作りに一番向いている時期です。
政治判断が入ると、方向性が「強化」か「緩和」かに振れやすくなります。企業側として困るのは、方針が揺れる期間ほど「結局どっちに備えるのが正解?」となり、手が止まることです。
ただ、私はここをチャンスにもできると思っています。制度がどう転んでも通用するのは、健康確保とコンプライアンスの土台です。
具体的には、長時間労働の予防、休日確保の仕組み、業務量の平準化、管理職を含む時間把握の整備です。
これらは、規制強化でも緩和でも、企業の武器になります。
政治判断が絡むテーマは、ニュースが出るたびに社内の空気が揺れます。「厳しくなるらしい」「いや緩和らしい」みたいな話が飛び交って、結局、判断が止まってしまう。ここが一番もったいないです。
なぜかというと、制度がどう振れても、結局、現場で必要なのは「働いた時間を把握する」「休日を管理する」「割増賃金を正しく払う」「健康配慮をする」という基本だからです。



制度が揺れる時期ほど、“守りの整備”が経営の安定に直結します。
守りって聞くと地味ですが、未払い残業や労災対応、退職トラブルが起きたときに、会社の時間とお金を一気に持っていかれるのはここです。
政治判断が読めない時期に強い会社は、社内の役割分担がはっきりしています。経営は方針(健康重視、長時間抑制、採用優先など)を出し、人事は制度とデータを整え、現場はルール通りの申請・承認・勤怠入力を徹底する。これができると、改正が再浮上しても、対応が速いです。
小さく始めるなら、まずは「残業の申請率」「休日出勤の理由」「月45時間超の人数」を毎月出すだけでも効果があります。
見える化すると、議論が感覚ではなくデータになります。
仮に規制緩和の方向に議論が進んでも、健康配慮の責任が消えるわけではありません。むしろ「本人の選択で働いた」という建付けが強くなるほど、会社側は“選択が適切に行われた”ことを示す必要が出てきます。
たとえば、長時間が続く人に医師面談を勧めた、配置転換の選択肢を示した、業務量を見直した、などです。ここは後から作れません。だから、今のうちに仕組みを作っておくのが一番ラクです。
人手不足や繁閑差の大きい業界では、連続勤務や交代制の運用が現実問題として重いですよね。さらに、テレワークや副業兼業の広がりで、労働時間の「見えにくさ」も増しています。
この状況で制度だけを先に固めようとすると、現場が回らなくなるリスクが出ます。一方、現場任せにすると、未払い残業や健康配慮不足のリスクが出ます。だからこそ、企業としては「運用ルールを明文化し、例外処理の判断基準を作る」ことが重要です。
人手不足の現場って、属人的になりやすいんです。「この人がいないと回らない」「繁忙期は仕方ない」が積み重なって、気づくと長時間が常態化する。
そうなると、法的リスクより前に、離職・採用難・品質低下が出てきます。逆に言うと、ルールの明文化は“人を守る”だけでなく“事業を守る”ことにもつながります。
特に効果が出やすいのは、(1)休日の区分、(2)残業の承認プロセス、(3)緊急連絡の定義、(4)副業兼業の申告ルール、です。これらは、現場の判断を軽くしつつ、会社としての説明力を上げてくれます。
制度設計が難しいのは、働き方が多様化しているからです。
これらが同時に起きると、会社は“ルールを作るほど例外が増える”状態になりがちです。
例外が増える会社ほどおすすめの考え方
ネット上の情報には、数字が一人歩きしがちです。たとえば「連続勤務14日」「インターバル11時間」など、目安として理解するのは良いのですが、自社の制度・業種・人員状況で適切な運用は変わります。



なので、社内基準を作るときには「一般的な目安」と「自社の基準」を必ず分けて書くことが重要です。
これだけで、現場の混乱がかなり減ります。


ここからは、企業側の「結局、今なにをすればいい?」に絞って解説します。人事労務・現場管理・経営のそれぞれが動きやすい形に落とし込みます。


見送り後に増えやすいのは、社内の油断です。特にリスクが出やすいのは、次の3つです。
見送り後に起きがちな落とし穴
リスクは「未払い」だけではありません。健康配慮が不十分だと、休職・離職や採用難にも直結します。ここはコストではなく、経営課題として見た方が良いかもです。
36協定の運用については、事前に社内点検しておくと安心です。必要に応じて、当事務所サイトの解説も参考にしてください。
36協定は、時間外労働をさせるための“入口”です。協定があること自体は大前提なんですが、現場では「協定があるから残業させていい」と誤解が起きやすいです。実際は、協定で定めた範囲内で、上限ルールを守り、健康配慮も行って初めて安全に回ります。
さらに、特別条項を使う場合は「臨時的な特別の事情」が必要で、発動の回数や手続き、労働者代表の選出など、細かいところでつまずきがちです。ここが曖昧だと、監督署対応で一気に整備コストが膨らむことがあります。
休日の区分(法定休日・所定休日)が曖昧な会社は本当に多いです。就業規則には「週休二日」だけ書いてあって、どの日が法定休日か運用で揺れている、みたいなパターンですね。
これ、普段は問題が表面化しにくいんですが、トラブルが起きた瞬間に「割増賃金の計算が合っているか」が争点になります。
修正が必要になった場合、過去に遡って計算し直すケースもあり、時間もコストもかかります。だから、見送り期間に棚卸ししておく価値が大きいです。
「管理監督者だから残業代は不要」という理解は、半分合っていて半分危ないです。まず、そもそも管理監督者の該当性は厳しく見られますし、たとえ該当するとしても、健康配慮まで免除されるわけではありません。長時間が続けば、会社としての対応(面談、業務調整、配置の見直し)が必要です。
まず確認したいチェック(例)
なお、ここでの考え方や対応は一般論です。個別の事情で適切な判断は変わります。
法改正が遅れても、行政ガイドラインや監督署の見方で「実質的に求められる水準」が上がることがあります。たとえば、勤務時間外の連絡の扱い、テレワーク時の中抜け、客観的記録の整備などは、制度が整う前に運用が先に問われやすい領域です。
企業としては、ガイドラインが出た後に慌てるより、先に社内ルールのたたき台を作っておくのが楽です。私は、次の順番で整えるのが現実的だと思っています。
先に整える順番
ガイドラインって、読むと抽象的に感じることがあります。「適正に把握しましょう」「適切に配慮しましょう」みたいな表現が多いからですね。ここで会社が差をつけるには、抽象を“運用の粒度”に落とし込む必要があります。
たとえば、勤務時間外の連絡ルールなら、「緊急って何?」「誰が判断する?」「翌日に回してよい範囲は?」まで決める。テレワークなら、「中抜けの申告方法」「業務開始・終了の記録」「移動時間の取り扱い」まで決める。
こういう細部が、現場の迷いを減らし、結果としてリスクを減らします。
ここ、地味なんですが効果が大きいです。勤務時間外の連絡が増えると、従業員側は「休んでいいのか分からない」状態になります。企業側も「連絡しないと回らない」焦りが出る。これが積み重なると、離職・メンタル不調・ハラスメント相談に繋がりやすいです。
私は、連絡ルールを作るときに次の3点を必ず入れます。
連絡ルールに入れたい3点
勤怠の客観記録は、システム導入だけで終わりません。重要なのは整合性です。打刻と実態がズレる原因は、早出・中抜け・持ち帰り・チャット対応など、現場の“例外”にあります。だから、例外が起きる前提で、申請と承認の流れを設計します。
今後の方向性は、強化と緩和の「どちらか一方」ではなく、条件付きで両立する形が出やすいと考えられます。
たとえば、柔軟な働き方を広げる代わりに、客観的記録や健康配慮をより厳格にする、といった整理ですね。
企業が備えるべきは、制度の形そのものよりも、どの制度になっても対応できる運用基盤です。
具体的には、労働時間の見える化、業務量の平準化、管理職教育、賃金計算の根拠整備が中核になります。
法改正の議論って、単体の制度だけを見ると判断を誤りやすいです。



まず「セットで出てくる要件」を考えるのがおすすめです。
たとえば、柔軟化(裁量の拡大等)が出るなら、健康確保措置(面談、ログ、同意、撤回の手続き)がセットで出やすい。副業兼業の整理が進むなら、割増賃金の扱いと、健康管理の把握方法がセットで議論されやすい。
つまり、制度は“単体”では来ない、ということですね。
変化に強い基盤って、具体的には何かというと、次の4つに収れんします。
変化に強い運用基盤(4つ)
これが整っている会社は、改正が強化寄りでも緩和寄りでも、現場の混乱が少ないです。逆に、ここが弱い会社は、制度が少し動いただけで、就業規則改定、賃金計算、現場運用の全てが連鎖して炎上しがちです。
副業兼業は、議論の動きが速いテーマです。ただ、企業がいきなり割増賃金の複雑な論点に突っ込むより前に、まず申告ルール(事前申請・報告の頻度・健康配慮の同意)を整えるのが現実的です。申告が整うと、会社はリスクの早期発見ができるようになります。
施行日や再提出時期は、企業にとって「準備期間の取り方」を左右します。もし周知期間が短くなると、就業規則改定、システム改修、シフト設計の見直しが一気に重なり、現場が回りにくくなります。
そこで、時期が確定していない今の段階では、制度変更に強い状態を作っておくのが得策です。イメージしやすいよう、準備を「すぐやること」と「動きが出たらやること」に分けておきます。
| 区分 | 企業側の動き | ねらい |
|---|---|---|
| すぐやる | 勤怠の例外処理、休日区分、割増賃金計算の棚卸し | 現行法リスクの最小化 |
| 動きが出たら | 就業規則改定、システム改修、シフト設計の再構築 | 施行対応の短期集中を回避 |
割増賃金や休日の考え方が曖昧な場合は、ここを先に整えるだけでも効果が大きいです。
施行日が確定してから動く会社は多いのですが、そこで問題になるのが、就業規則改定やシステム改修だけで終わらないことです。
現場のシフト設計、管理職の承認フロー、給与計算、労使協定、労働者代表の手続きまで連鎖します。結果として、担当者の残業が増え、現場は混乱し、従業員の不信感が出る。これが二次被害です。
だから私は「今は確定していないからこそ、土台だけ整える」を推します。土台が整っていれば、確定後の対応が“差し替え”で済みます。
就業規則の改定というと、条文を直すことに意識が向きがちですが、実務では“運用の読み替え”が重要です。
例えば、休日の定義、振替休日の手続き、代休の扱い、残業の申請期限、承認者の権限など、運用の細部がズレると、トラブルになります。
コツは、就業規則の改定案を作る前に「現場で実際に起きている例外」を洗い出すことです。例外が分かれば、規程に落とすべきポイントが見えます。
制度変更が決まったとき、周知期間が必要になります。従業員向け説明、管理職研修、Q&Aの整備、勤怠システムのマニュアル更新など、やることは多いです。ここを短期で詰め込むと、説明不足→誤運用→不満、という流れになりやすい。
なので、今のうちに説明テンプレ(よくある質問、申請例)を作っておくのはかなりおすすめです。


私が企業のご相談で優先度が高いと感じるのは、次の5点です。どれも、法改正があってもなくても効きます。
今のうちにやっておくと強い対策
連続勤務の管理は誤解が多いので、実務の考え方を整理した記事も置いています。
ただし、数値や基準は業種・職種・労働時間制度で変わります。ここで挙げた内容はあくまで一般的な目安として捉え、個別運用は必ず貴社の実態に合わせて設計してください。
全部やろうとすると大変なので、順番をつけるのが効果的です。
おすすめは、
の順です。なぜかというと、(1)〜(3)は金額リスクと直結し、かつ短期間で改善できるからです。ここを先に固めると、会社の安心感が増え、現場の協力も得やすくなります。
連続勤務やインターバルは、現場の根性論では解決しません。仕組みで止める必要があります。たとえば、一定日数連続したらアラートが出る、交代要員のローテーションを固定化する、引継ぎのテンプレを作って属人化を減らす、などです。ここは、労務管理だけでなく、業務設計の話でもあります。
シフト制の会社で効く工夫(例)
副業兼業が増えると、会社が把握できない疲労が溜まりやすくなります。だからこそ、申告制度を整え、長時間が疑われる場合の面談や注意喚起の仕組みを作るのが大事です。割増賃金の論点は難しいですが、健康確保は今すぐ着手できます。
最後にまとめます。労働基準法改正の見送りは、企業にとって「先延ばししていい」という話ではなく、むしろ準備を前倒しできるタイミングです。
私のおすすめは、次のスタンスです。
法改正を待たずに、現行法で説明できる運用を固める。そして、動きが出たら就業規則とシステム・現場運用を一気に合わせる。これが、無理なく・事故なく対応できるルートだと思います。
大事なお知らせ
法改正の動きや行政の解釈は変わる可能性があります。最新かつ正確な情報は公的機関の公表資料をご確認ください。実務で迷う点がある場合や、労務トラブルが起きそうな場合は、最終的な判断を社内だけで抱え込まず、社会保険労務士など専門家へご相談ください。
労務管理の整備は、どうしてもコストに見えます。でも現場で起きるのは、未払いリスクだけじゃないんですよね。長時間や休日不足が続くと、休職・離職が増え、採用コストが跳ね上がります。さらに、残った人に負荷がかかり、また辞める。悪循環です。ここを断ち切るには、制度が決まってからでは遅いことが多いです。
最後に、今日からできる最小の一歩を置いておきます。全部やらなくて大丈夫です。まずは一つでいいです。
最小の一歩(例)
あなたの会社の状況によって、最適な手順は変わります。



もし「どこから手をつけるべきか迷う」「自社の運用が法的に大丈夫か不安」という場合は、早めに専門家へ相談するのが結果的に早道です。
正確な情報は公的機関の資料をご確認いただきつつ、実務の最終判断は、ぜひ一緒に整理していきましょう。
現在、労働基準法については、勤務間インターバルの確保や連続勤務の在り方、年次有給休暇の取扱い、法定休日管理など、働き方や労務管理の根幹に関わるテーマを中心に制度の再検討・論点整理が進められています。
法案提出は見送られていますが、今後の改正に向けて、就業規則や勤怠管理の実務に影響する検討テーマが整理されてきている状況です。
一方で、「改正の方向性は把握しているが、自社の場合、どこを確認しておくべきか分からない」という企業様も少なくありません。
特に、次のようなケースでは社内対応のみで進めた結果、対応漏れや運用上の不整合が生じやすくなります。
当事務所では、労働基準法改正の検討動向を踏まえ、現行制度と実務運用の状況を整理するための実務対応チェックを行っています。
ヒアリングを通じて、
を整理したうえで、必要な範囲のみご提案いたします。
労働基準法の改正は、自社の勤務実態や運用状況によって影響の出方が大きく異なります。
※本サービスは、労働基準法改正の最新動向を踏まえ、現行の労務管理や実務対応の整理・検討を行うためのものです。